もくじ
―秋のバスの釣り方―
秋には様々な顔があります。
夏に近くまだまだ暑い秋や涼しく過ごしやすい秋、寒く冬を感じる秋など秋と一口に言っても様々な状況が存在しています。
それはバス釣りにおいても同じで、水温がまだまだ高くウィードが繁茂している秋、フィールドの水温が均一になり広範囲にバスが散っている秋、水温が低下して活性が下がる秋など様々な状況が存在します。
当然その状況ごとにバスの着き場は変わり、反応するルアーも変わります。
なのでこの記事では、秋の様々な状況下でのバスの釣り方を紹介したいと思います。
初秋(9月頃)
初秋(9月頃)はまだまだ水温が高くフィールド全体が夏を引きずっている状況です。
当然魚が居付いている場所も夏の色が濃い場所になります。
シェード
まだまだ日差しが強い日がある初秋は、その強い日差しをさえぎってくれるシェードにバスが居つきます。
ただシェードといっても様々な種類があるので、その種類ごとの特徴とおすすめのルアーを紹介します。
オーバーハング
湖からダム、野池、川など様々なフィールドにあるオーバーハングはシェードの代名詞的な存在です。
特徴は、水面が木で覆われているのでキャストが難しく、水中に折れた枝が沈んでいることが多いので、根がかりを注意しなければなりません。
しかしオーバーハングの下は、小魚・虫・甲殻類などの生物が多くいるので、初秋のバスを釣るのに必須といえるポイントです。
虫系ルアー/忍虫(DUO)
オーバーハングの下には、木から落ちてくる虫を虎視眈々と待っているバスがいます。
そんなバスを狙うのに最適なルアーが”虫系ルアー”で、木から落ちた虫をイミテートしてくれます。
この忍虫は、フローティングマテリアルでありながら塩が入っているので比重が重く、飛距離を出すことができるので対岸のオーバーハングやピッチングでしか入れられない小場所でもしっかりとアプローチすることができます。
バックスライド/RVドリフトクロー(ジャッカル)
水面まで木が覆っている場合、通常のキャストではどうしても奥までルアーが届かないです。
そんな時におすすめなのが”バックスライドリグ”です。
バックスライド系ワームはボリュームがあり、余計なパーツが少ないのでスキッピングがやりやすく、スキッピングで奥まで届かなくてもバックスライドして奥まで入っていくので、奥にいる警戒心の薄いバスを釣ることができます。
特にこのRVドリフトクローは、ゆっくりフォールするように作れているので、長い時間バスにアピールしてくれます。
マットカバー
マットカバーはゴミ溜りやヒシモなど水中に浮いているカバーを指します。
このマットカバーの下も当然シェードが形成されているので、バスが居ついているのですが、トレブルフックが付いているルアーではゴミやヒシモが引っかかってしまい引いてくることができません。
なのでカバーに強いルアーで攻める必要があります。
フロッグ/スティーズフロッグ(ダイワ)
マットカバーの上を狙うのに最適なのが”フロッグ”です。
秋はあまりフロッグのイメージが無いかもしれませんが、秋でもよく釣れるルアーです。
このスティーズフロッグは、移動距離を抑えた水押しのあるテーブルターンが得意なので、マットカバーのポケットなど短い距離で誘わなければならない場所でもしっかりとアピールすることができます。
リーダーレスダウンショット/ウルトラバイブスピードクロー(ZOOM)
マットカバーの中を狙うのに最適なのが”リーダーレスダウンショットリグ”です。
リーダーレスダウンショットリグは、シンカーが最初にカバーにコンタクトするので突き抜ける力があり、水中でも姿勢の良い誘いができるのが特徴です。
このウルトラバイブスピードクローは、フォールでは爪を『ピロピロ』とはためかせながらフォールし、中層で誘えば『パタパタ』とアクションしてマットカバー下のバスを誘います。
アシ
葦もシェードを形成するポイントですが、太陽の位置を考えないとシェードがないこともあるので注意が必要です。
また、葦際のメインベイトはエビ・ザリガニなどの甲殻類系なので、そのベイトに合ったルアーを選択する事が重要です。
ポッパー/バンタム チャグウォーカー(シマノ)
エビが葦際で跳ねている状況で活躍するのが”ポッパー”です。
使い方は葦際にキャストして数回アクションしてポーズの繰り返しと簡単ですが、トレブルフックがついているのでキャストは正確に行う必要があります。
このチャグウォーカーは、移動距離の少ないドッグウォークが得意なので、葦から短い距離で多くのアクションを入れて誘う事ができます。
テキサスリグ/バトルホッグ(レイドジャパン)
葦際を撃って行くのに最適なのが”テキサスリグ”です。
テキサスリグは針先の出ていないワームと重いシンカーを使うので根がかりに強くカバーの中まで入っていきます。。なのでその特性を活かしてバスの警戒心が薄い葦の奥へアプローチすることができます。
このバトルホッグは、大きいアームが水を掴んで込み入った葦の奥でもしっかりとバスにアピールしてくれます。
ザリガニやテナガエビなどの甲殻類をイミテートしたいときにうってつけのワームです。
インレット/バックウォーター
まだまだ暑い日が続く初秋は夏ほどの爆発力はありませんが、フレッシュな水を供給するインレットやバックウォーターは狙うべきポイントです。
インレットとバックウォーターで主に食べられているエサは小魚ですが、水に流されて落ちてくる虫やカエルなどを待ち構えているバスもいます。
ビックベイト/レプリケーター(イマカツ)
バックウォーターや大規模なインレットでおすすめのルアーが”ビックベイト”です。
ビックベイトは魚っぽい見た目と多彩な動きによってクリアな水質で目の良くなっているバックウォーターのバスを騙す事ができます。
特にこのレプリケーターは、3関節ボディによる艶かしい動きと、3つの可変テールによるアクションの違いで、バックウォーターに鎮座する百戦錬磨のビッグバスでも口を使わせることができます。
虫系ルアー/タイニーシグレ(メガバス)
インレットやバックウォータには、虫が流されてくるのを待っているバスもいます。
そんなバスに有効なのがこのタイニーシグレで、クローラーベイト型なので移動距離を抑えて誘う事ができ、トレブルフックを搭載しているので虫系ルアーに多いショートバイトでも確実にバスをキャッチできます。
岬
岬状になっている場所は、張り出しているので水の流れがよく当るポイントになっており、初秋のまだまだ暑さを避けたいバスがよく留まるポイントです。
特徴は、ベイトフィッシュがよく回遊してくるのでやる気のあるバスが多く、強い釣りに反応がいいです。
システムクランク/HUシリーズ(ハイドアップ)
岬を狙うのにおすすめなのが”システムクランク”です。
システムクランクは同型のクランクベイトが深さ別に用意されているので、沖に行くほど深くなる岬に合わせて、輪切りにクランクベイトの潜る深さを選択すれば、岬をシャローからディープまで攻略する事ができます。
特にこのHUシリーズは、浮上時のアクションも考えて作られているので、岬越しにクランクベイトがボトムをコンタクトした時に浮かせて食わせることもできます。
ジャークベイト/ヴィジョン ワンテンLBO(メガバス)
ジャークベイトによるハイレスポンスなアクションとフラッシングは、岬でベイトフィッシュを捕食しようとしているバスの捕食スイッチを強制的に入れることができます。
ワンテンLBOは、そんな使い方にピッタリなジャークベイトで、鋭いジャークアクションとハイピッチなロールアクションによるフラッシングで、通常のジャークベイトよりも一層バスを狂わせます。
秋(10月頃)
秋も深まる10月頃は、バスにとって快適な水温がフィールド全体に広がります。
そうなるとバスは一箇所に集まるのではなくフィールド全体に散ります。
なので、この時期になると広範囲を探ることを意識した釣りが有効です。
また、この時期は台風が多いので激しい濁りや増水が起こる事があります。
広範囲
この時期は水温が適温になりフィールド全体にバスが散ってしまいます。
また、適温なので活発にベイトフィッシュを追うのも特徴で、広範囲をテンポ良く探る事ができる巻物がこの時期に活躍します。
バイブレーション/TDバイブレーション74S(ダイワ)
広範囲をテンポ良く探るには遠投ができてアピール力が強いルアーが有効です。
そんな条件にピッタリ当てはまるのが”バイブレーション”です。
バイブレーションはシンキングルアーなので重く、余計なパーツが少ないので風の抵抗を受けません。
なので遠投する事ができ、ただ巻きするだけで小刻みに振動して広範囲にアピールしてくれます。
そんなバイブレーションのスタンダード的存在がTDバイブレーションです。
TDバイブレーションは基本性能が高く、クセが無いのでバイブレーションの主軸として活躍してくれます。
チャターベイト/トランキル(KAESU)
秋は広範囲を探れるルアーは確かに有効です。
しかし、プレッシャーが高くスレているバスには、アピール力の強すぎるルアーでは口を使ってもらえません。
かと言ってライトリグでは広範囲に散った秋のバスを探リ当てることができないです。
そんなもどかしい状況に活躍してくれるルアーが”チャターベイト”です。
チャターベイトは、ブレードが水を受けることによりルアー全体を振動させます。なのでアピール力が強いのですが、同時にトレーラーのワームがナチュラルに振動するので、スレたバスでも口を使わせられるルアーです。
特にこのトランキルは、ソフトブレードを採用したチャターベイトなので、フラッシングを押さえつつ柔らかく水を拡散することによりスレたバスにも口を使わせます。
台風
この時期に多いのが台風の上陸です。
台風が上陸する前は、増水を恐れてダムなどは放水をして水位を低くしようとします。
そして台風が上陸するとフィールドは激しく増水し全体が濁りで充満します。
スピナーベイト/クリスタルS(ノリーズ)
台風前のダムは水位を低くする為に放水するので、水が動いて釣りやすくなります。
そんな時は”スピナーベイト”による強い波動とフラッシングでやる気のあるバスだけを拾っていくのが効率よく釣るコツです。
特にこのクリスタルSはブレードがよく水を噛み、力強い波動とバイブレーションを起こすので、やる気のあるバスにアピールするのにもってこいのスピナーベイトです。
クランクベイト/Fury(mibro)
増水すると今まで陸地に生えていた草や木が冠水し、そのままバスの居つくカバーになります。
そんな状況でライトリグなどを使っても効率良くバスを釣ることができないので、巻物によるテンポの良い釣りがおすすめです。
特におすすめなのが”クランクベイト”で、クランクベイトは広範囲にアピールするだけの力強さがあり、カバーにも強いので増水して濁った台風後のフィールドにぴったりなルアーです。
カバー
バスが広範囲に散る秋ではありますが、バスという生物はカバーにつく生き物です。
なので、カバー撃ちは有効な釣りなのですが、広範囲に散ってしまっているのでカバーを絞り難くいです。
なので、カバー撃ちもテンポ良く広範囲にアピールするルアーがおすすめです。
スイミングラバージグ/ヘッドスライド(レイドジャパン)
カバーをテンポ良くサーチするのにうってつけのルアーが”スイミングラバージグ”です。
スイミングラバージグは、根がかりを恐れることなくカバーにアプローチすることができ、横の動きでバスにアピールします。
特にこのヘッドスライドは、ヘッドが低重心にできているのでカバーをスリ抜けた後に姿勢を崩してもすぐに安定した姿勢に戻してくれます。
テキサスリグ/パカクロー(NET BAIT)
カバーを横に釣るのに最適なのがスイミングラバージグならば、縦に釣るのに最適なのが”テキサスリグ”です。
テキサスリグは他のリグに比べてフォールスピードが早く、障害物回避性能に優れているので、テンポ良くカバーを撃っていくことができます。
特にこのパカクローは、大きな爪がフォール時に『パタパタ』とはためいて、強い水押しと視覚的アピールによって、広範囲のバスにアピールしてます。
晩秋(11月頃)
冬も間近な11月頃は気温と水温が下がりバスの活性も徐々に下がり始めます。
さらにこの時期にはターンオーバーと呼ばれる現象が起きてフィールド全体の水が悪くなり魚の活性が下がってしまいます。
また、水温が低下すると水質がクリアになるので注意が必要です。
ターンオーバー
ターンオーバーとは、気温が低下する事により表層の水温が冷やされ、その冷やされた重い水が底に落ちる事により、底に溜まっていた泥や堆積物、酸素濃度の低い水がフィールド全体に広がってしまうことで、魚の活性が低くなるのが特徴です。
なのでターンオーバー中は、水質の良い場所を狙うのがキーになります。
スイムベイト/デッドスロウル(メガバス)
ターンオーバー中のバスは汚い水を嫌いフィールドで一番水質が良くなる場所に集まります。
ならフィールドで一番水質が良くなる場所はどこかというと、常に新鮮な水を供給しているインレットです。
通常インレットに集まるバスは食気がある場合が多いですが、ターンオーバーで仕方なくインレットに集まったバスの食気は決して高くありません。
そんなバスを釣るのにおすすめなのが”スイムベイト”です。
特にこのデッドスロウルは超デットスローリトリーブに対応しているので、ターンオーバーを嫌って集まってきた食気のないバスでも口を使わせる事ができます。
スピナーベイト/バクシンスピナーベイト(バクシンルアーデザインズ)
当然ターンオーバーの影響を避けられる場所はインレットだけではありません。
ウィードやヒシモなどの水生植物が生えているポイントもバスがターンオーバーを避けられる場所で、水生植物はターンオーバーの悪い水をブロックしてくれてさらには悪い水を浄化してくれるのでバスは積極的に居付きます。
そんな水生植物を攻めるのに有効なルアーが”スピナーベイト”です。
スピナーベイトは、水生植物にコンタクトしても避けて引いてこれるので効率良く水生植物に居つくバスを釣ることができます。
特にこのバクシンスピナーベイトは、スナッグレス性能と飛距離が良いので、広く水生植物が生えているエリアでも効率良くバスを探る事ができます。
ディープ
この時期になると水温の低下に伴いバスが水温の安定したディープを意識し始めます。
なので、この時期に安定してバスを釣ろうと思うならばディープを攻略する必要があります。
ディープクランク/ショット オーバー5(ノリーズ)
水温の低下によりディープへと落ちたバスを効率良く釣るのにおすすめなのが”ディープクランク”です。
なぜディープクランクが効率良くディープを釣るのに有効かというと、スピナーベイトやバイブレーションでディープを探るのもいいのですが、このふたつのルアーは性質上巻いたら浮いてきてしまいます。なので、ディープをしっかりと狙うにはゆっくりとした釣りをしなければならなく、テンポ良くディープを釣ることができません。
しかし、ディープクランクは巻いたらリップに水を受けて潜るので、スピナーベイトやバイブレーションとは違いゆっくりとした釣りが必要なく、テンポ良く釣りをすることができます。
このショットオーバー5は、ディープクランクの欠点である巻き抵抗を抑えて作られているので、広大なフィールドのディープエリアを探るのに向いています。
キャロライナリグ/ウォブリング3インチ(ジャッカル)
ディープフラットを狙うのにおすすめなのが”キャロライナリグ”によるズル引きです。
キャロライナリグはシンカーとワームが離れているので、ワームがフリーな状態で動いてくれます。なのでワームがノーシンカーのようにナチュラルに動いてバスに違和感を与えず口を使わせる事ができます。
このウォブリング3インチは、小さいボディながらテーパーがかったテールをしているのでしっかりと水を噛んでボディを震わせるので、小さいながらも強い波動を出すワームです。
なので、光の届かないディープでも波動によりしっかりとバスにアピールしてくれます。
シャロー
水温が低下する事によりこの時期のバスは基本的にディープに落ちるのですが、一部の体力のあるデカバスはシャローのカバーなどに居ついて、積極的にベイトを捕食します。
なのでこの時期は、ディープエリアで安定した釣りをするのもいいですが、シャローエリアで一発狙いの釣りをするのも有効です。
ラバージグ/フラットバックジグ(deps)+ビッグダディ(アンクルジョッシュ)
シャローのデカバスを狙う定番のルアーが”ラバージグ”と”ポーク”の組み合わせです。
ラバージグはボリュームがありアピール力も高いので、この時期にシャローに残っているようなやる気のあるバスを狙うのに最適なルアーです。
ポークはワームでは出すことのできないテロテロとしたアクションで、ワームを見慣れてしまったスレたデカバスにも口を使わせる事ができます。
特にこのビッグダディは、大きなテールから発生させる強烈な水押しで、カバーの中に潜むデカバスにしっかりとアピールしてくれます。
カバークランク/KVD1.5(ラッキーストライク)
シャローカバーの中に潜むバスをラバージグで撃っていく釣りは、たしかに有効な釣り方ですが、長いカバーを丁寧に撃っていくのはどうしても効率が悪いです。
そんな長いカバーを効率良く釣るのにおすすめなのが”カバークランク”です。
カバークランクは、大きいリップの付いたクランクベイトの障害物回避性能を活かして、カバーを横の動きで効率良く釣って行けます。
そんなカバークランクでおすすめなのがKVD1.5です。
このKVD1.5は、スクエアリップという障害物回避性能とバイブレーションの強さが特徴のリップを搭載したクランクベイトなので、障害物を回避しつつしっかりとカバーの中でアピールしてくれます。
以上が秋バスにおすすめの釣り方でした。
皆さんが厳しい冬を迎える前に一匹でも多くのバスを釣ることを願っています。