暑い夏が終わり日に日に寒くなって来ました。
まだ暦上は秋ですが既に肌寒くすぐに冬がやってきます。
そんな冬はバスの活性が落ちるので、それに合わせた釣りでなければなかなか釣るのが難しい季節になります。
代表的な冬に釣れるルアーはメタルバイブレーションやビッグベイトのデッドスローリトリーブ、シャッドプラグ、そしてバイブレーションプラグが有名です。
今回は、冬に釣れる代表的なルアーのひとつバイブレーションプラグから全ての性能が高性能なバイブレーション『ジャッカル TNバイブレーション』をインプレします。
もくじ
ジャッカル/TNバイブレーション インプレ
TNバイブレーションの特徴
TNバイブレーションを説明する上で欠かすことができないのが”アウトメタルシステム”です。
このアウトメタルシステムとは、アゴの部分に高比重なタングステン素材を配置することで、アングラーに様々な恩恵を与えてくれます。
飛距離
まず、アウトメタルシステムを搭載したことによる第一の恩恵が”飛距離”です。
バイブレーションプラグは、クランクベイトやミノーなどに標準装備されている空気抵抗を受けるリップが搭載されておらず、ボディ形状も空気抵抗を受けにくい形状をしているので飛距離が出やすいルアージャンルです。
そんなただでさえ飛距離が出やすいルアージャンルであるバイブレーションプラグですが、TNバイブレーションの飛距離は他のバイブレーションプラグとは一味違います。
上記で説明したようにTNバイブレーションはアゴの部分に高比重なタングステンを配置しているので、キャスト時に高比重なアゴを前にして風を切りながら安定した飛行姿勢で飛びます。
この安定した飛行姿勢によって、TNバイブレーションは他のバイブレーションプラグでは到底不可能なほどの飛距離を実現しています。
この圧倒的な飛距離によって、秋には広範囲に散ったバスを効率良く探ることができ、冬にはおかっぱりから沖のブレイクの下にジッとしているバスを攻略することが可能です。
障害物回避性能
アウトメタルシステムの第二の恩恵が”障害物回避能力の高さ”です。
アウトメタルシステムに採用されているタングステンは非常に重い素材です。
重い素材なので、TNバイブレーションが泳ぐ際はアウトメタルシステムが搭載されているアゴの部分を通常のバイブレーションと比べるとより下にした状態で泳ぎます。
つまり頭下がりで立ったような泳ぎ方をします。
では、頭下がりで立ったような泳ぎ方が一体障害物回避性能の高さとどのような関係があるのでしょうか?
それは、ルアーが根がかってしまう原因を考えると答えが出てきます。
ルアーが根がかってしまう原因は「リップやボディが障害物に挟まった」や「ラインが障害物に絡まった」などありますが、主な原因はフックが障害物に引っかかってしまうことです。
なので、フックが障害物に接触しないようにすると自ずと(おのずと)根がかりが減ります。
ここで、障害物回避能力が高いルアーの筆頭であるクランクベイトを思い出して見て下さい。
クランクベイトには障害物からフックを隠してくれるリップが取り付けられています。
なので、クランクベイトは障害物回避能力が高いと言われています。
対して、このTNバイブレーションにはそんなリップが搭載されていません。
しかし、先でも述べた様に泳ぐ際の姿勢が立ち姿勢です。
泳ぎが立ち姿勢ということは、障害物にフックが当たる前にTNバイブレーションのボディ自体が障害物にコンタクトしてくれます。
つまり、立ち姿勢で泳ぐことによりフックが障害物に当たる前にボディが障害物に当たるので、TNバイブレーションは障害物にコンタクトしても根がかりする事無くそのまま引き続けることができます。
感度
アウトメタルシステムの第三の恩恵が”感度”です。
アウトメタルシステムに搭載されているタングステン素材は非常に高感度で重い素材です。
先にも紹介しましたが、TNバイブレーションはアウトメタルシステムが搭載されている箇所を下にして泳ぎます。
つまり、ボトムや障害物に最初にコンタクトする部分は、高感度なタングステン素材が使用されているアウトメタルシステムです。
この高感度なタングステン素材がボトムや障害物に最初にコンタクトするので、TNバイブレーションは非常に感度のいいバイブレーションに仕上がっています。
立ち上がり
アウトメタルシステムの第四の恩恵が”立ち上がりの良さ”です。
TNバイブレーションのウェイトは、アウトメタルシステムに集中しています。
なので、障害物にコンタクトした後でもすぐに姿勢を立て直して泳いでくれます。
この特性は、アウトメタルシステムの第二の恩恵である”障害物回避能力の高さ”にも寄与しています。
例えば、水中に沈んでいる複雑なレイダウンを想像してみましょう。
複雑に枝が生えているレイダウンでは、初めにコンタクトした枝でヒラを打ってそのまま横にルアーが弾け飛んでいては、別の枝にフックが絡んでしまいます。
しかし、TNバイブレーションはヒラ打ち後にすぐさま立ち上がって泳いでくれるので、次の枝にコンタクトする頃にはボディがしっかりとフックを守ってくれます。
また、泳ぎ出しもいいので秋に有効なスーパーハイスピードリトリーブでもしっかりと泳いでくれる安定性があります。
TNバイブレーション 使い方
ただ巻き
バイブレーションの基本的な使い方である”ただ巻き”は、TNバイブレーションにもおすすめの使い方です。
使い方はただ巻きするだけですが、そのただ巻きのスピードや引き始めるレンジによって、様々なレンジを攻略することができます。
例えば、魚が上のレンジに居る、もしくは上を意識していると思えばキャスト後にすぐさま巻き始めるとシャローレンジを攻略することができます。
この使い方は、あらゆるレンジを攻略することができるので、バスが今どのレンジを意識しているのかを探ることができます。
また、ただ巻くだけなので広範囲を効率良く探るのにも長けています。
リフト&フォール
素早い動きとフォールを組み合わせた”リフト&フォール”もTNバイブレーションのおすすめの使い方です。
TNバイブレーションは立ち上がりが良いので、リフトの始まりからしっかりとアクションしてくれて、フォールでは前傾姿勢なので素早くフォールしてくれるのが特徴です。
この使い方は、高活性でバスが魚を積極的に追っている状況はもちろんのこと低活性な冬にもリアクションで魚を狙うことができる使い方です。
ズル引き
TNバイブレーションの特性を最も生かせる使い方が”ズル引き”です。
TNバイブレーションはインプレでも紹介した通り、アウトメタルシステムにタングステンを使用しているので「感度が良く」「障害物回避性能が高い」です。
なので、ズル引き時に根がかりすることなくボトムの地質や起伏をしっかりと感じることができます。
使い方は簡単で、キャスト後にボトムまでフォールさせてボトムの起伏を感じながらただ巻きするだけです。
それだけで、ボトムの地形変化を把握しながらボトムを意識しているバスを釣ることができます。
時期的には晩秋から早春までおすすめの使い方です。
各フィールドでのインプレ
琵琶湖
TNバイブレーションは、琵琶湖のボート釣行でももちろん活躍してくれるルアーですが、特におすすめなのがおかっぱりからの使用です。
まず、琵琶湖おかっぱりでは広範囲を探るために遠投性能が重要です。
TNバイブレーションはインプレでも紹介した通り、アウトメタルシステムのお陰で遠投性能が非常に高いです。
この遠投性能の高さだけでもTNバイブレーションを琵琶湖おかっぱりで使用するのに足りる理由ですが、広大な琵琶湖の地形を把握するのにテキサスリグやキャロライナリグといったじっくり探る系のリグでは、時間がかかり過ぎてしまいます。
そんな時にもTNバイブレーションは秀逸で、アウトメタルシステムにタングステンを採用しているので非常に感度がいいです。
なので、手っ取り早く自分の前に広がっている琵琶湖の地形を把握して、ゲームを組み立てることができます。
リザーバー
リザーバーのおかっぱりでは、釣りをできるポイントが限られており、おいしそうなポイントへルアーをアプローチするには遠投性能が重要です。
散々述べているようにTNバイブレーションは遠投性能が抜群です。
活躍しないわけがありません。
しかも、リザーバーのボトムは流れによって削られているので複雑に入り組んだハードボトムなことが多いです。
そんな、複雑なハードボトムを根がかりをしやすいルアーで攻めてはすぐに根がかりしてしまいます。
しかし、TNバイブレーションは立ち姿勢で泳いでくれるので、比較的根がかりを少なくすることが可能です。
野池
TNバイブレーションは散々記しているように遠投性能が高いバイブレーションです。
その遠投性能は、小規模な野池なら対岸まで届くほどのものなので、野池全体を探ることが可能です。
また、野池には様々な障害物が沈んでいますが、TNバイブレーションは障害物回避性能が高いので、それらに根がかることなく攻めることができます。
TNバイブレーション 各サイズの使い分け&おすすめタックル
TN50
一口サイズでなんともかわいいTN50は、野池や小さな河川といった小規模フィールドにうってつけのサイズです。
もちろん、琵琶湖やリザーバーといった大規模フィールドでもピンスポット攻略や小型のベイトフィッシュ(稚ギル等)が多い状況で活躍してくれます。
タックルはMLクラス前後の巻物用ベイトロッドがおすすめですが、飛距離を重視する場合はスピニングタックルとPEラインの組み合わせで使うのもおすすめです。
TN60
オリジナルサイズのTN60は、野池などの小規模フィールドから大型河川といった大規模フィールドまで使える万能なサイズです。
大小様々なフィールドに通う場合には、このTN60を持っておけば間違いありません。
フィールドの状況が分からない場合にまず使いたいサイズです。
タックルはMクラス前後の巻物用ベイトロッドがおすすめで、リールは早巻きやリフト&フォールで使用する場合はギア比7前後のハイギア、ただ巻きで使用する場合はギア比6前後のノーマルギアがおすすめです。
TN70
近畿圏のフィールドに通う私が一番愛用しているのがこのTN70です。
リザーバーや琵琶湖といった大規模フィールドはもちろんのこと小規模フィールドでも対岸までキャストしたい場合など遠投性能を考慮するとこのTN70がおすすめです。
「遠投性能」「アピール力」「使いやすさ」が揃った一番おすすめのサイズです。
タックルはM~MHの巻物用ベイトロッドがおすすめですが、撃ち物にも使用できる強めのバーサタイルロッドでも扱うことができます。
TN80
TNシリーズ最大サイズのモデルで、他のバイブレーションでもなかなか無い重さ約29gのバイブレーションです。
この重量から来る飛距離は凄まじいもので、発売してすぐに琵琶湖おかっぱりでは定番として定着しました。
琵琶湖のおかっぱり以外にもリザーバーの水深3mレンジをただ巻きで攻略することが可能です。
タックルはMH以上の巻物に対応したベイトロッドがおすすめで、凄まじい飛距離を出すのでラインをしっかり巻けるリールがおすすめです。
TNバイブレーション おすすめカラー
ダブルクラッチ 金黒
フラッシング効果のある金と黒の合わさった『ダブルクラッチ 金黒』は、一年中おすすめなカラーです。
特にステインウォーターからマッディウォーターまでがおすすめで、夜釣りの街頭の光を利用した明暗の釣りでは、急なフラッシングによるアピールで魚をリアクションバイトさせることができます。
赤虎
バイブレーションは春に有効なルアーとして有名ですが、そんな春に最も活躍してくれるカラーが『赤虎』です。
春になるとシャローに上がって来たバスは積極的にエサを捕食しますが、その中でも特に好んで捕食するのがザリガニなので、赤色は春の定番として定着してます。
春以外にもマッディウォーターや荒れている状況でしっかりアピールさせたい場合におすすめです。
弱光ギル
バスが積極的に捕食するベイトフィッシュの中には扁平型のボディをした魚がいます。
そんな扁平型の魚の代表的な存在がブルーギルです。
この『弱光ギル』はそんなブルーギルを模したカラーです。
ブルーギルがいるフィールドでは必ず持っておきたいカラーです。
総評
以上がジャッカル TNバイブレーションのインプレでした。
TNバイブレーションは『飛距離』『障害物回避性能』『感度』『立ち上がりの良さ』とバイブレーションプラグに必要な要素が高次元に備わっているので、バイブレーションプラグが苦手な方や初めて使う方におすすめです。
長年日本のバイブレーションプラグの定番として定着しているので、入手が簡単なのもこのルアーのいいところです。
使えば定番として定着した理由がわかる完成度の高いバイブレーションプラグです。
拙い文を最後まで読んで頂きありがとうございました。
●TNバイブレーションはアウトメタルシステムが搭載されている。
●飛行姿勢が安定するので飛距離が出る。
●立ち姿勢で泳ぐので障害物回避能力が高い。
●アウトメタルシステムにはタングステンが使われているので感度がいい。
●立ち上がりがいいので複雑なカバーでも引っかからない。
●ハイスピードリトリーブでもしっかりと泳ぐ安定性がある。