夏ということで、琵琶湖を中心にパンチングをしている釣り人が多いと思います。
パンチングの釣りは濃いマットカバーを突き破って、到底進入不可能であろうカバーへルアーをアプローチする釣り方です。
なので、自ずとカバーを突き破りやすいストレートワームやホッグ系ワームをセットすることが多くなります。
しかし、このパンチングに適しているストレートワームやホッグ系ワームは、無駄を省いたシンプルな形状が多く、濃いカバーの中ではアピール力が足りません。
そんな時におすすめなのが、ZOOM(ZBC)社の”スピードワーム”です。
今回は、そんなパンチングにおすすめのスピードワームをインプレします。
もくじ
ZBC/スピードワーム インプレ
テールによるアピール力
では、なぜスピードワームが濃いカバーの中でも満足いくだけのアピール力を有しているかというと、それはパドルテールによるアピール力にあります。
一見パドルテールのアピール力と聞くと「そんなのホッグ系ワームと変わらないだろう」と思いますが、このスピードワームに搭載されているパドルテールのアピール力は、一般的なパドルテールのアピール力とはまるで違います。
一般的なパドルテールワームが着底後に水を押しながら倒れこむことによってアピールするのに対して、このスピードワームはフォール時やアクション時に大きく水を掴んでパドルテールを震わせてアピールします。
この震わせる力は凄まじく、ロッドワークでアクションを加えるとまるでクランクベイトを引いているかの如く振動がロッドに伝わるほどです。
つまり、スピードワームは凄まじいパドルテールの振動によって、バスに気付かれにくい濃いカバーの中でも十分に気付いて貰えるだけのアピール力があるワームです。
長さ
スピードワームはロングパドルテールワームと呼んでいい長さを有したワームです。
この長さによる大きなシルエットによって、パドルテールが大きく振動してアピールしたことにより気付いたバスを確実にスピードワームまで誘導するだけのアピール力を持っています。
また、パンチングを必要とする状況の多くが”夏”ですが、夏はロングワームが効果的な季節なので、よりスピードワームが効果的になります。
スリ抜け性能
いくらアピール力があるワームでもカバーの中に入り込まないと意味がありません。
その点もスピードワームは素晴らしく、普通アピール力が高いパーツはグラブのテールやクローワームのツメ然り、カバーへの進入の阻害になるのですが、このスピードワームに搭載されているパドルテールはほぼ邪魔をしません。
さらに、スピードワームは張りがある絶妙な長さのボディとそのボディに細かいリブが刻まれているので、カバーに張り付くこともありません。
フォール速度
上記のようにスリ抜け性能が高いスピードワームですが、ワームのスリ抜け性能が高くなると相対的にフォールスピードが早くなってしまいます。
これは、スリ抜け性能を高めようとすると引っかかりの少ないシンプルな形状を採用せざるを得ないことによるもので、シンプルな形状はどうしても水の抵抗が少なくなり、フォールスピードが速くなってしまいます。
しかし、このスピードワームに採用されているパドルテールは、カバー進入時には障害にならないですが、一度水の中に入ると凄まじくテールを震わせて、水の抵抗を受けます。
このテールを震わせて水を掴むことによって、スピードワームは通常のワームよりもゆっくりとしたフォールスピードを実現しています。
なので、スピードワームは他の対ヘビーカバー用のワームとは違ったフォールスピードで、カバー内のバスにアプローチできます。
デメリット
これまで、散々スピードワームを褒めちぎってきましたが、このワームがメジャーにならなかった決定的な理由があります。
それが、パドルテールを振るわせるには、ある程度の重さのシンカーが必要なことです。
つまり、軽いシンカーではフォール時にテールを震わせてくれません。
なので、使用する際はある程度の重さのシンカーを使用したリグが必要で、使う幅を狭めてしまっているのが、このスピードワームの最大のデメリットです。
スピードワーム おすすめリグ&使い方
パンチング
スピードワームは、1oz以上のシンカーを使用してマットカバーを突き破るパンチングにもってこいのワームです。
パンチングに使用するワームはスリ抜け性能が重要で、カバーの中に進入して初めて釣れる釣りですが、スピードワームはインプレでも紹介した通りスリ抜け性能とアピール力を兼ね備えた稀有なワームです。
使い方は、兎に角マットカバーに進入させることが第一で、時には真上にルアーを放り投げて勢いをつけてマットカバーを突き破ることもあります。
進入後は、マットカバー下で誘いを入れるかボトムまでフォールさせるのが一般的な使い方です。
テキサスリグ(カバー撃ち)
スピードワームはパンチングに最適なワームですが、それほど濃くないカバーを攻めるのにも適したワームです。
ですが、インプレでも紹介した通り軽いシンカーだとパドルテールがアクションしないので、少し重めのシンカーを使う必要があります。
アピール力は細身のシルエットの中では抜群にあるので、細身のシルエットを使いたいがアピール力が欲しい状況で活躍してくれます。
テキサスリグ(ボトム)
テキサスリグによるズル引きでは、ロングパドルテールとして使用することができます。
何かにスタックさせてシェイクアクションを加えると艶かしくパドルを動かし、ハングオフさせるとパドルを倒れこませてアピールしてくれます。
ボトムバンピングでは、ロッドアクションによって任意にテールをアクションさせてバスを誘い、ボトム着底後の倒れこみで喰わせの間を作り出すことができます。
テキサスリグ(スイミング)
ある程度重いシンカーを使用したテキサスリグで、中層を巻くとパドルテールが”ブルブル”と震えてアピールしてくれます。
シャッドテールワームよりも強いアピール力を有しており、そのアピール力はボトムに潜むバスをも中層に誘い出すことができます。
これまで紹介してきたようにスピードワームは、テキサスリグで使用するとカバー撃ち、ボトムズル引き、スイミングとあらゆる使い方ができる万能なワームです。
フィールドの評価
琵琶湖
日本のパンチングのメッカである琵琶湖は、スピードワームの主戦場といっていいフィールドです。
琵琶湖のマットカバーは他のフィールドではなかなか想像できない分厚さですが、スピードワームならしっかりとそれを貫きカバー内に進入してくれるだけのスリ抜け性能を有しています。
進入後はパドルテールを”バタバタ”とはためかせてアピールするので、広大なマットカバーでもテンポ良く撃っていくことができます。
もちろん、スピードワームは琵琶湖に群生しているウィードの上をズル引くのにも向いており、細身のシルエットで魚系のベイトフィッシュをイミテートしてくれます。
また、ウィードトップをスイミングで狙うのにも向いており、強くアピールするテールは、ウィード内に潜むバスをウィード外に誘い出すだけの魅力があります。
リザーバー
リザーバーに存在している浮きゴミもパンチングでしか貫けないことがあります。
特にリザーバーは、細身のシルエットのベイトフィッシュがメインベイトなことが多いので、スピードワームにうってつけのフィールドだといえます。
パンチング以外にも中層を攻略するスイミングやブレイクを狙うボトムの釣りでも活躍してくれます。
マッディシャローレイク
マッディシャローレイクでは、カバーへ撃つ釣りで活躍してくれます。
細身のシルエットを使いたいが、アピール力も欲しい状況で無類の強さを誇ります。
おすすめカラー
ウォーターメロンシード
透けるカラーでウィードに合う”ウォーターメロンシード”は、クリアウォーターでおすすめのカラーです。
特にウィードが繁茂している状況では、背景に溶け込んでバスに違和感を与えないカラーです。
ウォーターメロンキャンディ
ウォーターメロンにラメが散りばめられている”ウォーターメロンキャンディ”は、ウォーターメロンではアピール力が足りないが派手なカラーではプレッシャーを掛けてしまう状況で活躍してくれるカラーです。
スカッパノン
濁ったフィールドや曇天時などアピール力が欲しい状況で活躍してくれるのが”スカッパノン”です。
パンチング時に特におすすめのカラーで、濃いカバー内でもしっかりとアピールしてくれる強さを持ったカラーです。
総評
以上がZOOM スピードワームのインプレでした。
スピードワームは上記でも紹介した通り、なかなか独特なワームなので、パンチングで使用するワームに悩んでいる方や変わったワームを使用したい方などにおすすめです。
また、煮詰めてはいませんがジグヘッドにテールを縦にしてセットするとなかなかおもしろいアクションをしたので、気になる方は試してみてください。
●スピードワームのパドルテールは濃いカバーの中でもしっかりとアピールしてくれる。
●長さによる大きなシルエットでカバーの中でも存在感を出してくれる。
●無駄の無いボディデザインなのでスリ抜け性能が抜群。
●パドルテールが大きく水を掴むのでフォール速度が遅い。
●パドルがアクションするのにはある程度のウェイトが必要。
●細身のシルエットで魚系のベイトをイミテートしてくれる。